今津の誓願寺には、多くの寺宝が伝わっています。
なかでも重要文化財になっている「銭弘俶八万四千塔」、「孔雀文沈金経箱」などは、中国より請来された代表的遺品であります。
なお、この寺を有名にしているのは、僧栄西の自筆であります。
栄西は再度の入宋を遂げていますが、その間この寺に止宿中に書いた「盂蘭盆縁起」は重要な書跡であり、国宝に指定されています。
これらの寺宝は、すべて九州国立博物館に寄託してあります。
国宝 誓願寺孟蘭盆縁起
重文・銭弘俶八万四千塔
中国、唐時代の末から戦乱の続いた五代の頃、呉越国の王、銭弘俶波動や鉄で八万四千の小塔を作って供養しました。
日本にも伝えられ、いま五基がわかっています。
塔は本来釈迦の遺骨を納めて拝んだもので、後には遺骨の代わりに、その教えである経典を納めました。