今津の国宝・文化財

今津の誓願寺には、多くの寺宝が伝わっています。
なかでも重要文化財になっている「銭弘俶八万四千塔」、「孔雀文沈金経箱」などは、中国より請来された代表的遺品であります。
なお、この寺を有名にしているのは、僧栄西の自筆であります。
栄西は再度の入宋を遂げていますが、その間この寺に止宿中に書いた「盂蘭盆縁起」は重要な書跡であり、国宝に指定されています。
これらの寺宝は、すべて九州国立博物館に寄託してあります。
 

国宝 誓願寺孟蘭盆縁起


赤、白、藍の三色の絵具をひき、雲文や牡丹唐草文の中に鳳凰を配して雲母刷りした唐草の上に、中国宋時代の筆法を学んだ栄西の美事な、黒色豊かな筆勢が躍動しています。

重文・銭弘俶八万四千塔


中国、唐時代の末から戦乱の続いた五代の頃、呉越国の王、銭弘俶波動や鉄で八万四千の小塔を作って供養しました。
日本にも伝えられ、いま五基がわかっています。
塔は本来釈迦の遺骨を納めて拝んだもので、後には遺骨の代わりに、その教えである経典を納めました。

重文・孔雀文沈金経箱


中国元時代浙江省杭州で作られました。木製で内を朱漆、外を黒漆で塗る。外面に、沈金を施しています。沈金の技術は宋時代に始まるといわれており、わが国には元代の遺品が数点あります。
 

 

福岡県無形文化財
今津人形芝居


今津人形芝居は、江戸時代に大分県の北原人形芝居から伝授された「大原繰り」に始まり、以来160年を超える長い歴史を経て受け継がれてきた郷土芸能です。
 明治24年に設立され、上演活動を続けてきた「今津人形恵比寿座」のメンバーによって、昭和45年に青少年への伝授・普及を目的に「今津人形芝居少年部」が組織され、これが現在の「今津人形保存会」へと発展し、長い歴史の中でその伝統を守り伝えてきました。
今日では、地域に根ざした重要な伝統文化として認知され、福岡を代表する無形民族文化財として多くの市民に親しまれています