力と心でぶつかる稽古──追手風部屋を訪ねて

息づかいが響く。

パチン、と木に張り手を打つ音。胸と胸がぶつかる重い音。

「ドヮッ!」と気合を入れて、もう一番、もう一番。

土俵のまわりには、真剣な空気とともに静けさが漂います。

力士たちは土俵を清め、神聖な場所に身を置いて稽古を重ねていました。

だんだんと息が荒くなり、「ハア、ハア」と限界を超えて力を振り絞る。

背骨の奥から絞り出すような呼吸、全身でぶつかり合う稽古。

——「違う景色というのは、こうやって見にいくものなのだ」と感じました。

 

取材に応じてくださった大栄翔関は、

「自分もそうやって育てられたんです」と語ります。

「今津はいいところ。13年くらい来ています。海も山もあって自然がきれい。潮風が気持ちいいし、福岡はどこでもごはんがおいしい。」

リラックスして自然に癒されながら、日々稽古に励んでいるそうです。

移動は今でこそ車ですが、若い頃はバスや電車を使っていたとのこと。

そして、人と人との関わりについても印象的なお話がありました。

「若い子が入ってきても、今は何も言えない世の中。でも、厳しくするだけではダメ。説明して、手本を見せて、率先してやることが大事なんです。基礎の四股、相撲の取り方、私生活、礼儀作法、挨拶やコミュニケーション……自分がきちんとやる。」

 

竜翔さんは厳しい稽古を続けられることについて、「やるしかない。」ときっぱり。覚悟とともに、相撲が大好きなのだということを感じました。

そして今津の子どもたちへ、こう話してくれました。

「最初は裸に褌で嫌かもしれない。でも、やって勝てたらうれしくて、もっとやりたくなる。その経験をしてほしい。」

 

静かに、そして全力で。

土俵の上では、言葉を超えて心と心がぶつかり合っていました。

地域に根ざし、次の世代へ力と心を伝える——追手風部屋の皆さんの稽古には、そんな思いが込められていました。

 

追手風部屋の皆様の本場所でのご活躍を期待しています。

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